「ねぇねぇ、スザク!あのね…」



いつもと変わらない日常風景。
の、はずだったが、とある場所だけ黒いオーラが漂っていた…。



『っ…なぜは最近頻繁にスザクと話してるんだ……楽しそうに…。
 くっ、何故オレがこんな気持ちにならねばならんのだ!これもすべて……』



そぅ、教室でとスザクが楽しそうに話しているのを見てルルーシュから黒いオーラが放たれていたのだ。
とうとうそれに耐えられなくなったルルーシュが、2人の元に歩む。

…」

「なぁに、ルル?」

「…ちょっといいか?」

「うん?構わないけど…」

チラっとはスザクを見る。
スザクはそれに気付いて「行っておいで」と言った。



『…気に食わない……オレと話すのに何故スザクの許可がいるんだ……』



ルルーシュの苛々は募る一方だった…。










君ガ好キダカラ










ルルーシュはを連れ屋上へ向かう。





屋上の扉を開くと暖かい日差し、心地よい風が吹いていた。


「ルル…どうしたの?」

屋上について最初に開口したのはだった。
「どうした?」なんて図星を聞かれて内心焦るが、平静を装い彼女に問い返す。

「何故そんなことを聞くんだ?」

「…なんか、いつもと雰囲気が違ったから……」

心配そうにそう言う。
自分がいつもと違うことに気付いてもらえて嬉しいものの、今はそんな気持ちにはなれなかった。


…」

「なぁに?」

「…スザクとは話すな」

首を傾げる彼女に冷たくそう言い放つ。

「え?」

「スザクとはもう話すなと言ったんだ」

キョトンとしているにもう一度同じ言葉を言った。
その言葉には優しさのカケラがひとつもなかった…。

「ど、ぅして…そんなこと言うの……?」

信じられないという瞳でルルを見つめる。
その瞳には涙が浮かんでいる様にさえ見えた。

「…気に食わないからだ」

「っ…何が…」

「スザクと話しているのがだ」

「っ!?」



『オレは何を言っているんだ……』



はその言葉を聞いて俯いてしまった。



『…泣かせてしまっただろうか……』



するとはばっといきなり顔を上げる。
その顔は怒りと悲しみでいっぱいだった。

「ルルのバカっ!なんで、そんなヒドイこと言うのっ!!もう知らない…大っキライ!!!」

そう言って走って屋上を出て行く。
屋上に残されたルルーシュは悲痛の顔をしていた。



「何故、あんな言い方しかできなかったんだろうな……」










ルルーシュが教室に戻ると、先程のことは何もなかったかのように普通にスザクと話しているの姿があった。
すごく楽しそうに笑っている。



『オレ以外の男にその笑顔を見せるな…。
 オレだけにその笑顔を見せろ…』



にギアスをかけれたらこんな気持ちにもならないのに…。



するとルルーシュは2人の元へ行き、の手を無理矢理掴んだ。

「え?」

はびっくりしている。
ルルーシュはそのままを無理矢理引っ張って教室を出ようとした。

「いや、ルル!!離してっ!」

「ルルーシュ!?」

嫌がるを見て、スザクは止めようとするが…。

「スザク…邪魔をしないでくれ」

ルルーシュの瞳を見て、スザクは止めることができなかった。
友のあんな悲しそうな瞳を見たのは初めてだから…。










ルルーシュは嫌がるを引っ張ってクラブハウス、自分の部屋へと連れて行った。
も一生懸命抵抗するが、やはり女では男の力に敵わなく、されるがままだった。





自分の部屋に着くとルルーシュはを自分のベッドの上に投げ飛ばした。

「きゃぁっ」

ベッドの上に倒れこむの上にルルーシュは覆いかぶさった。
彼女の両手を自分の手で封じ、身動きが取れない状態にする。

「ぃゃ…ルル……やめ…」

無理矢理喋るの口を自分のそれで塞いだ。
優しくのない、愛のない深いキスを…。

「ふぁ…んぅ……ぃ…やぁ……ぁ、ん……」

逃げようとするがそれは許されなかった。
息ができなくなって空気を求めようとするが、求める度に深くなる一方。

気を失いかけたとき、やっとそれは離れた。
は勢いよく空気を吸う。

と、急にルルーシュの手がから離れた。
不思議に思っていたのも束の間、ルルーシュはが着けていたネクタイを外し、それで彼女の両手をきつく縛ったのだ。

「ぃたっ…」

の悲痛の声が聞こえたが、気にすることなくルルーシュは手を動かす。
そして、制服のブレザーを脱がし、ブラウスに手をかけたとき…。



「っ…ひっく……ふぇ……ふっ……ぅ…ぅぁ……」



声を押し殺して泣いているに気付いた。
顔は涙でいっぱいで、いつも見るキレイな真紅の瞳も硬く閉ざされて見れなかった。
ルルーシュは我に返り自分のしている愚かな行為に悔いる。



『大切にしたかったのに…オレはなんてことを……。
 ただ、オレのとなりで笑っていてほしかった…一緒にいたかっただけなのに…。
 オレは……愚かだ…』



ルルーシュはの手の自由を奪っていたネクタイを解いた。
自分の手に自由が戻りはルルーシュの頬を引っ叩く。

ルルーシュは引っ叩かれた方の頬を押さえながら、から顔を逸らしながら言った。


…すまなかった……」


の涙は止まる気配がなかった。
そんな彼女を見てつらくなる。





「スザクに……嫉妬していたんだ…」



小さな声でポツリポツリとルルーシュが語りだす。

「最近のはスザクと話してばかりで…スザクと楽しそうにしているのを見てムカムカしていたんだ…。

 オレの…醜い嫉妬のせいで……こんな悲しませるようなことして…。
 …本当にすまない…」



の涙はいつしか止まっていて、静かにルルーシュのことを見ていた。



のことが好きなのにこんなことしかできなくて…オレは最低だな」



そう、俯きながら言う。



「ルル…ひどいょ……」

ずっと黙っていたが口を開いた。

「あぁ…オレはひどいな……」

ルルーシュはに嫌われるようなことをしたのだ。
そう言われるのも当たり前だと思っていた。



「ルルのしたことは……許せない。





 でも…そんなこと言われたら許しちゃだめなのに……許しちゃうじゃない…」

「え…」

「ルル…ホントにひどい……





 私もルルのこと…ずっと好きなんだから!!」





ルルーシュは信じられなかった。
あんなににひどいことをしたのに彼女はオレを好き?
夢でも見ている感じだった。



…それはウソじゃないんだな…」

「ウソなんて今つけるわけないじゃない…ルルのバカ……」

「っ、!」



ルルーシュはを強く抱き締めた。
優しく壊れないように愛おしく…。
もそれに答えるようにルルーシュの背中に手を回した。



…オレはお前が好きだ……」

「私も好きだよ、ルル…」



2人は視線を絡め、瞳を閉じ、口付けをした。
それは先程のような乱暴なキスではなく、優しく甘い、暖かなキスを…。










2人はその後いろいろ話をしていた。
ルルーシュが座っている上にが乗り、ルルーシュが後ろから手を回している。

「最近スザクとの会話が多かったのはどうしてだ?」

「そっそれは…」

「…言わないなら……」

「やぁ、ん……ルル!どこ触ってるのよ!!」

「どこってむ…」

「言わなくていいー!!」

「聞いてきたのはだろ」

顔を真っ赤にしている彼女を愛おしそうに見る。

「で、スザクと何を話してたんだ?」

にっこりと微笑みながら聞いてくるが、その笑顔の裏に何か見えたような気がしてはシブシブ答えることにした。

「…ルルのこと……」

「は?」

「だから、ルルのこと相談してたのぉ!」

大きな声で真っ赤にしては言う。
言葉の意味を理解したルルーシュは満面の笑みを浮かべた。



「あ、れ?」



急に視界が反転して、今目の前に映っているのは満面の笑みを浮かべたルルーシュと天井だった。
そう、また押し倒されていたのだった。

「ル、ルル??な、にをしているのかな?」

顔を引きつらせながら言う。

「ん?押し倒したんだが?」

「そう言う意味じゃなくてっ」

の顔は真っ赤だった。
それが可愛くてイジワルしたくなる衝動に駆られる。





『まぁ…イジワルで終われそうにないんだがな……』





「ひゃぁっ!ルゥル…ど、こ…ぁ…」



…愛しているよ……」



そう言って、甘く深い口付けをした。










―――君ノコトガ好キスギテ俺ハ俺デ居ラレナクナル…。

―――君ノコトガ本当に好キダカラ…。






































あとがき

 紅月世季様に捧げる夢です…。

 世季様すみません…。
 リクエストに添えられなくて…。
 なんかものすごいシリアス風味になっちゃって。(焦
 あぁ…こんなんでいいのでしょうか…。

 一応相互リクの方の「ヒロインさん連れ出して(無理矢理)クラブハウスでイチャコラ」です。
 私無理矢理にすると…暗くなっちゃうみたいで…。(今始めてしった…)
 あぁ、こんなのでホントによろしいのでしょうか?
 もしアレでしたら書き直ししますので。

 名前はこちらのヒロインの名前で出してますが、持ち帰りの際、世季様の名前で持ち帰っちゃってください♪

 まぁ…こんなのですが気に入っていただけたら光栄です…。


 ここまで付き合っていただきありがとうございます。
 恒例の下にほんのチョコっとオマケが…。
 可哀相なスザクのお話です。w
  -----20070328-----












































―オマケ―

「はぁ……」

好きな子がルルーシュに連れて行かれて、スザクは大きなため息をついていた。
それを見ていたリヴァルがスザクの元へ行く。

「スザク!お疲れさん」

「あぁ…リヴァル……」



「しっかし、も酷なことするよなぁ…好きな子に他の好きな男の話されたら俺だったら無理だね」

「ボクにとってもルルーシュは幼馴染だから、いろいろ聞きたかったんじゃないかな…」



そんなスザクにリヴァルは同情した…。






-----ブラウザからお戻りください。-----