「くっ…なんでこんなに忙しいんだ!これではと回れないではないか」

本日はアッシュフォード学園の学園祭。
生徒会役員の1人であるルルーシュは学園内を走り回っていた。

「それにしても……オレだけ仕事が多い気がするのは気のせいか…?」

先程から休むこともなく動き回っているルルーシュ。
学園内のほとんどを回っているのにもかかわらず、他のメンバーが見当たらない。
すれ違いの可能性もあるかもしれない。
が、この時ルルーシュは何か嫌な予感がした。

を探しに行くか……」

ルルーシュは仕事を放棄し、愛しの彼女を探しに向かった…。








私のご主人様










学園内では喫茶店、お化け屋敷などいろいろな出し物がやっている。
ルルーシュはそのひとつひとつの教室を覗いて回っていた。

「やはり……どこにもいないみたいだな」

学園内のほとんどの教室を見て回ったものの、生徒会メンバーの姿は誰一人見つからなかった。
さすがにここまで探して見つからないのだからすれ違いというのはありえない。

「オレだけを働かせていたということか…」

ルルーシュは段々イライラが募ってくる。
ルルーシュにとって学園祭などどうでもいいのだ。
ただ、も一緒にいるから働いていただけなのだから。

「それにしてもはどこにいったんだ…」

大切な彼女以外はどこにいたっていいと思う。
今一番会いたいのはだけだからだ。



「ねぇ、生徒会のアレ行くよね?」

「行く行く♪絶対可愛いと思うよね」

「あ〜ぁ、似合う人はいいよねぇ」



ルルーシュの耳に女子生徒2人の声が入った。

『生徒会のアレとはなんなんだ?可愛いって何がなんだ…似合うとは……』

ルルーシュはそこまで考えると急に走り出した。
今朝の嫌な予感がはずれてくれと願うばかりであった……。















ルルーシュはクラブハウスの近くまできていた。
体力ないのに走ってきたため息切れ状態だ。

そしてルルーシュはクラブハウスの入り口を見て驚くことになる。
そこには…。





「は〜い、ちゃんと並んで並んで〜。そこ、押さない!」

リヴァルがプラカードを持って、クラブハウスに並ぶ長蛇の列を整えていた。

「なっなんなんだ、これは!!」

ルルーシュは声を出して驚いていた。
クラブハウスで自分に内緒で何かをしていること、この長蛇の列すべてに対してだ。

そんなルルーシュの目にふとあるものが留まった。



―生徒会女子生徒によるネコ耳メイド喫茶店v―



そう、リヴァルの持っているプラカードに書かれてあった。





「危ないから押すのは禁止。…そこの人、ならん……っ!?ルっルルーシュ!!」

ものすごい形相でルルーシュがクラブハウスへと近づいていた。
その顔は般若のごとく……。

「は、ははっ…ルルーシュ、仕事もぅ終わったのか〜。早いなー……」

どんどん近づいてくるルルーシュにリヴァルは焦る。
それと同時に恐怖を感じる。
今すぐこの場を離れたいものの、会長命令によりリヴァルにはそれが無理だった。
周りにいた他の生徒は、ルルーシュを見て少し離れた場所へと逃げた。

「リヴァル…これは一体どういうことか説明してもらおうか」

ルルーシュのその瞳を見てリヴァルは逆らえなかった。

『会長…すんません……オレにルルーシュを止めることなんか無理です』










「…疲れた……会長、私いい加減に休みたいのですが」

「ダ〜メっ!がNo.1なんだからいないとクレームきちゃうじゃなぁい」

「No.1って…ここはホステスじゃないんですから……」

は学園祭が始まってからずっと休むことなく接客をしていた。
その格好は白黒のフリフリのメイド服で、オプションにネコ耳、尻尾をつけて…。

「それに、今はその喋り方はダメよ。ちゃんとメイドになりきって喋ること!」

「……かしこまりました…」

むぅっと不機嫌になりつつもは大人しくミレイに従った。



「それにしてもすごい人ですね…」

料理担当のスザクがミレイに言った。

「当たり前じゃないの〜♪なんたって、アッシュフォード学園一のクールビューティーでモテモテの
 がネコ耳メイドやってるのよ!
 普段は邪魔が入って喋ることさえできない高嶺の花……。
 しかし!!今日は邪魔がない、喋り放題、御奉仕され放題!!
 こんな機会滅多にないじゃない♪」

それを聞いてスザクは苦笑する。

『こんなことルルーシュにバレたら怖いなぁ…』





―チリンチリン…

扉が開いた。

「おかえりなさいませ、ご主人様…」

開いたと同時にが扉の方に向かってお辞儀しながら言った。

「ただいま、

その声を聞いて、クラブハウス内にいた生徒会の皆が固まる。
は恐る恐る顔をあげる。
そこには、口元は微笑んでいるが目が笑っていないルルーシュがいた。

「ルル…」

さすがのクールビューティーも、そんなルルーシュ相手に平静を保っていられない。
すごく焦っているのが見て分かる。

「会長、これはどういうことなんですか?」

「あははは〜……。ルルーシュ!の姿可愛いでしょー♪」

「そんなこと当たり前じゃないですか。は何着たって似合うんですから」

サラリとクサイ発言をするルルーシュ。

「まっまぁ、こんな姿は絶対しないでしょ?拝めただけでよかったじゃなぁい♪」

「そうですね。





会長、後で覚えておいてください」

サラリと黒い発言。
その言葉を言ったときのルルーシュの顔は本気だった。
生徒会の皆、顔が真っ青だ。

、行くよ」

「えっ!?ルル??ちょっとっ…わぁ」

ルルーシュはに有無を言わせず、無理矢理お姫様抱っこをして、自分の寝室へと連れて行った。










「きゃぁっ!」

ルルーシュは寝室に着くなりをベッドに放り投げた。

「ふっ…んぅ………」

そして無理矢理彼女の唇を自分のソレで塞いだ。

「……はぁ…んふぅ……っ……」

段々息ができなくなって苦しくなり、はルルーシュの胸を叩いた。
それに気付いてか、ルルーシュは離れる。

「ル、ル…怒って、る…??」

「…当たり前だ!オレはこんなことやるなんて聞いてないぞ!!」

「ルル…ごめんなさい……やっぱりアナタにも言うべきだったのよね…」

「くっ…」

ルルーシュは虚しくなった。
別に自分だけ除け者にされたから虚しく感じたわけではない。
大切な子に話してもらえなかったことに虚しく感じたのだ。

「ルル、ホントにごめんなさい…」

そういいながら、は包むようにルルーシュの頭を抱き締めた。

ルルーシュはその温かさに心地よく感じる。










「それにしても、がこんな格好するなんて珍しいな」

2人は仲直りをして、ベッドの上に座っていた。

「…私も着たくないわ……でも、会長との勝負に負けた私が悪いの…」

「勝負?」

「えぇ、これはその罰ゲームみたいなものよ…」

なんの勝負をしたのかは教えてくれないようだ。

…」

「何?」

「2度とオレ以外の人間にその格好を見せないでくれ。オレだけに見せてくれ…」

「…かしこまりました。ご主人様のご要望のままに……」

2人は笑いあった。
そしてどちらからともなくキスを交わした。
甘く深いキスを……。






































あとがき

400のキリ番を戴いてくださった世季さまに捧げます。
お待たせしましたっ!!大変遅くなって申し訳ないです。

キリリクの内容「学園祭でなかなか2人きりになれない事にルルおかんむり」だったんですが…。
すみません…添えてないです(;´・ω・`)
しかもルルじゃないですね…このキャラ……。
なんか壊れ気味なルルでホント申し訳ないです。

一応、アニメで放送された学園祭とは違う学園祭です。

こんな作品でよかったらもらっていってやってください(焦)

これからも『雪の羽根』をよろしくお願いします。

ではでは〜。
   -----20070413-----












































―オマケ―

「ルル…怒ってるよね……」

「そりゃぁ怒ってるでしょー…彼女を勝手にあんな格好させたりしたんだし…」

ルルーシュたちがいなくなって、生徒会役員は店を閉め、深刻に話していた。

「もぅ、かいちょーのせいですよ〜!!ルルに内緒にしよ〜なんて言うから〜」

「ひどいわぁシャーリー。でもでも〜言ったらルルーシュ、貸してくれないじゃない?」

「それはそうですけど…」

「ルルーシュ、覚悟しろって言ってたけど…ボクらまで被害にあうのかな…?」

ボソッとスザクが言ったこの言葉に対してミレイ以外の皆サーっと青ざめる。

「私は何もしてないわ」

カレンがそう言う。

「カレン、無駄よ〜♪ここは連帯責任v」

「「「「かいちょー!!」」」」

この後、ミレイたちがどうなったかはまた別のお話……。






-----ブラウザからお戻りください。-----