「ねぇ、」
生徒会室でみんながそれぞれお喋りしてたり、読書をしてたり、猫と戯れてたり(?)している中、
突然みんなに聞こえるほどの声で生徒会会長のミレイがを呼ぶ。
その声にみんなピタっと止まった。
ミレイがに変なことを吹き込まないか心配になったのであろう…。
恋するオトメ☆
「はい?」
首を傾げて答えるの仕草にみんなは可愛いなぁっと親バカな気持ちになった。
2人の人物を除いてだが…。
「ちょっと聞きたいことがあるのよ」
「なんですか?」
みんなはミレイの言葉にほっとした。
『聞きたい』ということは、変なことを吹き込むという恐れがなくなるのだから。
「ズバリ!の好きな男って誰?」
少しの間が空いた…。
その質問はミレイだけではなくみんなも気にしていた内容だった。
とくにを想うスザクやルルーシュにとっては大切なこと。
「どうしたんですか、急に?」
彼女は未だに首を傾げながら、普通にミレイに問い返した。
「最近のアナタ、日に日にキレイになっていってる感じがしたから、
恋でもしてるんじゃないかって思ってねぇ」
それを聞いてカレンやシャーリーが確かにと思う。
前は可愛さばかりだったが最近、可愛いと思うよりキレイと思うほうが多くなったからだ。
「キレイかどうかは置いときまして…キレイになったからといって恋とどいう関係があるんですか?」
「アラ、有名な言葉知らないの?『恋するオトメはキレイになる』って」
「ん〜…聞いたことはある気がします」
その言葉を聞いてミレイだけでなくカレンやシャーリーも呆れた。
いくら恋に疎いからといってこの言葉ぐらいは普通知ってるだろうと…。
「結局のとこ好きな奴はいないってこと?」
ひれを切らしてリヴァルが尋ねた。
「私みんな好きだよ?」
「……」
「昨日のの言葉まじびっくりだよな〜」
「らしいとは思うんだけどね」
次の日の朝、リヴァルとシャーリーは昨日の生徒会室での出来事を話していた。
「みんなあの言葉に固まったんだよな」
笑いながらリヴァルがそう言う。
「カレンだけは『そのままのでいてね』って抱き締めたのよねぇ」
カレンはにベタボレだからっと、楽しそうに2人は話していた。
「でも一番楽しかったのはアレだよね」
「そうそう、ルルーシュとスザク!すっげぇ落ち込んでたもんな」
その日はとスザクは軍の方に行っていて学校を休んでいた。
学校だとと2人きりになれる時間はないが(カレンが常に傍にいて)、軍だと違う。
スザクは2人きりで喋れることを楽しみにしていた。
が、当の本人はセシルにべったりでスザクの夢は悲しくも崩れ去った。
その光景をロイドは遠目から見ていて楽しそうだった。
そんな特派の元に一人のピンクのお姫様が現れた。
「スザク!」
「ユーフェミア様!?」
そう、第3皇女ユーフェミアが。
彼女はスザクの元へ駆けていく。
彼女のスザクを呼ぶ大きな声でもユーフェミアがきたことに気付く。
も幼馴染のユーフェミアの元へ行こうとする。
が、それは実行されなかった。
「ちゃん?」
途中で止まっているが不思議になってセシルが声をかけた。
セシルの声が聞こえていないのかはスザクとユーフェミアを見たまま立ち止まっていた。
2人は楽しそうに喋っている。
―ズキン―
―――痛ぃ…なんでこんなにも胸が痛いんだろ……。
「ちゃんっ!」
「っ!?」
いつの間にかセシルが隣に来ていて、大きな声でを呼んでいた。
それにやっと気付いて、びっくりして肩を揺らす。
「セ…シルさん……」
「どうしたの、ちゃん?ずっと呼んでも返事してくれないから…」
「すみません、セシルさん…」
「、どうしたのです?」
セシルの声で気付いたのか、心配そうにユーフェミアとスザクが駆けてくる。
そんな2人を見てはまた胸が痛くなった。
―――私、どうしちゃったんだろ……。
そんなとき昨日のミレイの言葉が頭の中を遮った。
『最近のアナタ、日に日にキレイになっていってる感じがしたから、
恋でもしてるんじゃないかって思ってねぇ』
―――恋…?恋ってなんだろ……。
「!」
「っ!?」
ハッとする。
スザクがの肩を持ち、顔を覗き込んで心配そうに見ていた。
「、ホントにどうしたんだぃ。何回呼んでも返事してくれないし…」
は周りを見渡した。
みんな心配そうにこちらを見ている。
「(私みんなに心配かけてた…)…ロイドさん、すみませんが……少し外の風に当たってきます」
そう言ってロイドの返事も聞かず走って行ってしまった。
「ぁ、っ!!」
ユーフェミアが心配になってあとを追いかけようとしたとき。
「ロイドさん、すみません!心配なんでボクも行ってきます!」
ユーフェミアより早く走っていく。
ユーフェミアはスザクの背中を見て立ち止まった。
「ぅ〜ん…青春だねぇ」
ロイドはのん気にコーヒーを飲みながらそう言った。
「、待って!」
「スザク、お願い!一人にして!!」
「いやだ!キミを一人にさせたくないっ!」
スザクはやっと追いついて、の手を掴んだ。
2人は走ったため肩で息をしている。
「…どうして……どうして追ってきたの」
「が心配だからに決まってるだろ!」
「っ!?」
スザクが大きい声で言ったのにびっくりして肩を揺らす。
「何かあったの?今日のキミおかしいよ」
心配そうにの真紅の瞳を見る。
「私にだって…私にだってわからないよ……」
スザクはびっくりした。
覗き込んでいた真紅の瞳から涙が流れているから…。
「スザクとっユフィ、が…喋ってい、るの…見てた…ら、胸っが痛、く…なって」
途切れ途切れだったが、しっかりとの言葉を聞き取ったスザクはびっくりする。
そして、嬉しそうに微笑みだした。
そんなスザクの顔を見ては不思議そうな顔をする。
「スザク…なんで嬉しそうなの……?」
自分がこんなにわからない痛みに苦しんでいるのに彼は微笑んでいるのだ。
あまりいい気分ではない。
「嬉しいよ…すごく嬉しいんだ」
「…なんで?」
は不思議でたまらなかった。
そんな彼女にスザクは言う。
「のキモチを知ったからだよ」
「え?」
スザクが何を言っているのか全くわからなかった。
「はボクとユフィが喋っているところを見て、胸が痛くなったんだろ?」
その言葉に素直に頷く。
「そのキモチをなんていうか知ってる??」
は首を横に振った。
わからないから悩んでるのに、彼が何を言いたいのか理解できない。
「そのキモチはね…
ヤキモチって言うんだよ」
耳元でそっとスザクは囁いた。
―――ヤキモチ……?
の顔が一気に紅潮した。
いくら恋に疎いからといっても『ヤキモチ』という言葉くらいは知っている。
恥ずかしくなって俯こうとするが、スザクがそれをさせてくれなかった。
「下を向かないで、ボクの目をちゃんと見て」
スザクの瞳を真っ直ぐと見つめる。
キレイな青々と茂った木の葉のような色をした瞳を…。
「、ボクはキミが好きだよ。1人の女性として」
―ドクン―
スザクの告白にの鼓動が波打った。
―――あぁ…そうか……この気持ちが…。
「は…ボクのことどう思ってる」
「…わかっているくせに……」
顔を紅くしながら恥ずかしそうに上目遣いで言った。
「うん、でもの口から聞きたいんだ…言って?」
「私もスザクのことが……スキ……」
その言葉を聞くと同時にスザクはを強く抱き締めた。
「ひゃぁっ」
いきなり抱き締められてもびっくりするが、その顔は嬉しそうだ。
「!ホントに嬉しいよ!」
「私も…嬉しい」
2人は顔を合わせて笑いあっていた。
そしてスザクはの唇に甘く優しい口付けをする。
それは一瞬で、顔を離すと顔を真っ赤にしたがいた。
それが可愛くてもう一度口付けをした。
先程とは違う深く…そして甘いキスを……。
あとがき
久々にスザクです♪
スザク好きなのに…書けないんですよね……。
シチュエーションに悩みます。w
アドバイスとかしてくれたら管理人は喜びます。(笑
長くなりましたね…。
自分の気持ちに気付いていない主人公ちゃんです。
まぁ、連載ヒロインですが。w
私の書くスザクって積極的な気が…。
でも、積極的じゃないと恋は始まりませんよね。w
そして気付いたことが…。
ニーナが出てない…。
ニーナ好きな方、ホントにすみません…。
あのキャラはちょっと出しにくくて↓
いつもと同じセリフですが、楽しんでもらえると嬉しいです。
ここまで付き合っていただきありがとうございます。
下にはいつも通りほんのチョコっとオマケが…。
残されたユフィと、次の日の生徒会のお話です。
ではでは〜♪
-----20070325-----
―オマケ―
「ヒドイですわ…」
「ユーフェミア様?」
いきなりひどいと言ったユーフェミアに、セシルはどうかしたのだろうかと思う。
「私だってとお話いっぱいしたいのに…スザクが独り占めにするなんて……」
が大好きなピンクなお姫様であった。
次の日、生徒会室でのこと…。
はスザクと一緒にアーサーで楽しそうに戯れていた。
そんな2人を見て鋭いミレイが一言。
「2人とも付き合い始めたの?」
その言葉に一斉に生徒会室にいた全員の視線が2人に降り注がれた。
そこには顔を紅くしたと、嬉しそうにニコニコしたスザクがいた。
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
その叫びは学園中に響いた。
シャーリーやリヴァルは「よかったね」「やるじゃねぇか」と、喜んでいる。
カレンは淋しそうな目でを、スザクには恨みの篭った視線を送る。
ルルーシュはというと…。
窓際で放心状態だった。
「青春ねぇ♪」
ミレイはどこかの誰かと同じ言葉を言っていたとか……。
-----ブラウザからお戻りください。-----