「アレ?私、いつの間に生徒会室に……」
は夕暮れの中、一人ぽつんと生徒会室に立っていた。
「…何も思い出せない?」
何故ここにいるのか覚えていなかった。
一生懸命思い出そうと「う〜ん」と悩んでいるとき、生徒会室の扉が急に開いた。
は誰かと思い、扉の方を向いた。
と、そこに立っていたのは…。
「スザク…?」
同じ生徒会役員で、同じ軍に所属している幼馴染のスザクだった。
「…スザク、どうしたの?」
スザクの様子がいつもと違っていた。
いつも見せてくれる笑顔はなく無表情で、話しかけても返事がない。
どうしたのかと心配になる。
と、スザクは無言でに近づいてきた。
目の前に立つといきなり彼女の腕を引っ張り、自分の腕の中へと納めた。
急のことですごくびっくりし、それと同時に恥ずかしくなって離れようとする。
しかしそれは叶わなかった。
「スザク!ホントにどうしちゃったの?」
やはり彼からの返事はなかった。
すると、スザクの顔がどんどん近づいてきた。
「え…」
驚く暇もなく、はスザクに口付けをされた……。
「スザクちょっと待って!!!」
ガバっと勢いよく起き上がった。
キョロキョロと辺りを見回す。
そこにはいつもと同じ見慣れた光景が広がっていた。
「あれ………ユメ…?」
夢ヲ見タ後デ
「なんであんな夢見ちゃったんだろ……」
朝に見た夢を思い出し、は一人顔を紅くしていた。
ここはアッシュフォード学園の教室で、そんな彼女を見ていたものが4人……。
「顔紅くして…どうしたんだろ?」
「もしかして熱でもっ」
ラブのカレンは心配になりガタっと勢いよく席を立ち、彼女の元へ行こうとした。
しかし、リヴァルに腕を掴まれ止められた。
「離して…くれませんか?」
危うく素が出そうになったがカレンは抑える。
今すぐにでもの元へ行きたいのに邪魔が入って苛立ちが募るばかりだった。
「チッチッチッ…まぁちょっと待てって。
気付かない?同じ女として」
シャーリーにもカレンにもリヴァルの言っている意味がわからなかった。
「はぁ、まだまだだね〜」
「じゃぁリヴァルにはわかるって言うのっ?」
バカにされた感じがしてシャーリーはむっとする。
カレンも内心イライラしていた。
そんな2人に向かってリヴァルは人差し指を立て、得意げに言う。
「あんな顔してるときはな………恋だよ。こ・いっ!」
―ガタッ―
「ん?ルルーシュくん、どうしちゃったのかなぁ〜」
今までずっと黙っていたルルーシュが、リヴァルの言葉を聞いていきなり席から立ち上がった。
そんなルルーシュの行動を見て、ルルーシュが焦っているということに気付いたリヴァルがからかうように絡んでくる。
「いや…別になんでもないんだ」
お得意のポーカフェイスでごまかそうとするが、ごまかしきれていなかった。
シャーリーやカレンが気付くほどルルーシュは焦っていたのだ。
「でも、に限って恋はありえないんじゃない?」
恋に疎い彼女だ。
絶対にありえないとシャーリーやカレンは思う。
「オレもありえないとは思うんだけどさぁ…もしかしたらってこともあるじゃん?」
みんながのことについて話し合っていた。
―ガラッ―
そのとき1人の生徒が教室に入ってきた。
「おはよう」
を真っ先に見つけて笑顔で挨拶する生徒、スザクである。
いつもならこの挨拶に普通にがこちらに顔を向け、笑顔で「おはよう」と言ってくれるのに今日はなかった。
それを不思議に思い、スザクはボーっとしているの顔を覗きこんだ。
「〜?」
「え?」
その声を聞いて、ふと手放していた意識を取り戻したは目に映る光景にびっくりする。
「っ!?」
一気に顔が紅潮した。
自分の目の前にスザクの顔がドアップで映っていて、あの朝見た夢を思い出す。
「スっスザ、ススザっク」
「?」
「ぅ〜…もぅ無理ぃ!!スザク、ごめんねえぇぇぇぇぇぇぇ」
はそう言いながら教室から走って出て行ってしまった。
突然のことでスザクだけでなく、他のみんなもポカンとする。
「っ!ちょっと待って!!」
ハっとしてスザクは慌てて教室から出て行った彼女を追いかけた。
そんな2人を見ていたルルーシュたちは…。
「なぁ…やっぱって」
「リヴァル!しーっ…」
リヴァルの言葉を遮って、シャーリが人差し指を口の前にあててもう片方の手でとある一角を指した。
そこにはどんよりしたルルーシュとカレンがいたとか…。
「待って!!」
2人は物凄いスピードで廊下を走っていた。
「スザクお願いだからこないでっ!!」
「いやだ!ボク、に何かした?」
その言葉には反応して顔を紅くする。
「無反応ってことはやっぱりボク、キミに何かしたんだね」
スザクはの後ろを走っているため、彼女の紅い顔が見えなかった。
2人は階段を上り、上へ上へと進んでいっていつの間にか屋上に着いていた。
屋上に着いたことによりは逃げ場を失くしてしまった。
「…ボクはキミに何かしたのかな……」
その声にハっとスザクの方を向いた。
スザクはすごく悲しそうな顔をしていた。
―――私はなんてことを…スザクは何もしていないのに……。
「スザク違うの…あなたは何も悪くないの」
「え?」
はポツリポツリとスザクに話し始める。
「今朝ね…ユメを見たの……」
「夢??」
「うん…そのユメにね、スザクも出てきたの……」
スザクはその言葉を聞いて嬉しくなった。
好きな子の夢に出れたんだ、これほど嬉しいことはない。
夢に出るってことは少しでも自分のことを意識しているってことなのだから…。
「でね…スザクにね……その、あの…」
どもり始めたに不思議に思うスザク。
もしかして夢の中で自分が何かしでかしたのではないかと心配になる。
しかし、よく見れば彼女の顔は真っ赤だった。
『そんな顔されると自惚れちゃうよ…』
「それでね…あのね……」
恥ずかしそうに言い辛そうにしている彼女がすごく可愛く見える。
「ボクが何をしたの…?」
スザクはにゆっくりと近づいていく。
「…やっぱ言わなきゃだめかな?」
恥ずかしさのあまりいっぱいいっぱいでの瞳には涙が浮かんでいた。
しかし、スザクにも譲れないものがある。
「うん、言ってほしいな」
の目の前に立ち、スザクは彼女の頬に手を添えた。
至近距離にスザクの顔、夢を思い出し恥ずかしくなって顔を逸らしたいもののスザクがそれを許してはくれなかった。
「…」
「……ス…たの……」
「え?」
今確かに彼女は言ったが、小さすぎて聞き取れなかった。
「ごめん、もう一度言ってくれないかな?」
「スザクと…キスをしたの……」
「えっ…」
「もぅ、やだ…恥ずかしい」
恥ずかしさのあまり、とうとう涙がぽろぽろと零れてしまった。
「…」
「え?」
スザクがいきなりを抱き締めた。
そんなスザクの行動にキョトンとし、ぽろぽろと零れていた涙も止まってしまった。
「…はボクにこういうことされるの嫌い?」
「なん…で……?」
「いいから」
「…嫌じゃないよ……?」
素直にそう答えた。
するとスザクはから体を離して真っ直ぐ彼女の真紅の瞳を見る。
「夢の中で…ボクとキスしたとき、嫌だった??」
その質問に、再び顔を真っ赤にする。
「どうして…そんなこと聞くの?」
不思議でしょうがなかった。
「知りたいんだ…言って、くれないかな……」
真っ直ぐとスザクに見つめられ、視線を逸らすことなどできなかった。
「嫌じゃ……なかったよ」
その言葉を聞いてスザクはすごく満足そうな顔をしていた。
は言ってから恥ずかしくなって視線を逸らそうとしたがそれは叶わなかった。
「目を逸らさないで…ボクをちゃんと見て……」
昔から変わらない瞳。
キレイで強い意志をもった…。
はそんなスザクの瞳が好きだった。
「好きだよ…初めて出会ったときからずっと……」
「え…」
突然のスザクの告白にはびっくりしてしまった。
でも、スザクのその言葉を嬉しく感じてしまう。
―――そっか…私もスザクのことが……。
「の気持ちも教えて?」
「…やっぱ、言わなきゃだめかな?」
すごく恥ずかしそうにしている彼女が可愛かった。
「うん、聞きたいんだ」
「私も……スザクのことが好きです」
「ありがとう」
嬉しそうににっこりと微笑み、優しくを抱き締めた。
スザクに抱き締められ恥ずかしいが、彼の暖かさが伝わってきて心地よく感じた。
「…愛してるよ」
そう言って、スザクは甘く優しいキスをに贈った……。
―――夢に出てきたあなたと現実のあなた…。
姿形は一緒だけどやっぱり違うのね。
優しくて暖かいあなたが私は大好きです。
あとがき
…すみません、なんか微妙ですよね。
やはりネタは頑張ったら考えれるものの…。
内容が纏まらないみたいな感じで。
文章力の低さに泣けてきます。
なんかスザク夢こんなのが多いような…。
管理人の中のスザクはこんな感じで定着しているということがモロバレですねww
セリフが同じになってしまうという困りもの…。
あと、カレンのキャラもすごいことにww
カレンは主人公ラブという設定なので。
主人公一番!みたいなw
いつもと同じセリフですが、楽しんでもらえると嬉しいです。
ここまで付き合っていただきありがとうございます。
下には恒例のチョコっとオマケです。
2人が出て行ったあとの教室でのお話。
ではでは〜♪
-----20070405-----
―オマケ―
「たち帰ってこないね……」
「今頃イチャイチャしてるんじゃねぇの?」
―ガタッ―
「すまない、用事を思い出したから帰ると先生に言っておいてくれないか」
「ごめんなさい、私も気分悪くなったから帰ったと伝えておいてくれないかしら」
「え?ルル??カレン??」
ルルーシュとカレンは物凄いスピードで教室から出て行ってしまった。
「あ〜ぁ…行っちまったな」
「もぅ、リヴァルが余計なこと言うから!」
「だってホントのことかもしれないじゃんかよ〜」
ルルーシュとカレンが屋上で見つけたときの2人は仲良く寄り添って眠っていた。
それを見て2人の魂が抜けたことは言うまでもない……。
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