「スザクー??」

オレンジ色の陽が窓から射し、アッシュフォード学園の廊下を照らしている放課後のこと…。

いつもは明るい金色の髪を陽の光でオレンジ色にさせ、ルビーのようにキレイな真紅の大きな瞳をキョロキョロさせながら、
アッシュフォード学園生徒会の1人は枢木スザクを懸命に探していた。

「…スザクどこに行っちゃったんだろぅ……」









夕日に照らされて










今から1時間前のこと―――






『はぁい、今行く〜』

スザクとは授業が終わり、一緒に特派に行くときのことだった…。

荷物をまとめ、スザクの元へ行こうとしたとき、後ろから声をかけられた。

!約束…忘れてない??』

『え??』

話しかけてきたのは同じクラスで同じ生徒会の仲の良い友達、シャーリーだった。

『もぅ!!ほぉ〜ら、忘れてるでしょ!!』

『…ぁ……』

『今頃思い出して…ひどいよ、

むくれるシャーリーに一生懸命謝る。

『ごめんね!今すぐやるからちょっと待ってて』

そう言うと教室の入り口で待っているスザクの元へ行った。

『どうかしたの??』

『スザク、ごめんなんだけど…帰るのちょっと時間かかりそうなの、だから先に行ってて??』

『いや、終わるまで待っておくよ』

『えっ、別に』

『僕が待ちたいからいいんだ!』

の言葉を遮って言った。
はきょとんとしてスザクを見、そして微笑んだ。

『スザク、ありがとう』

スザクは彼女のキレイな微笑みに見惚れ、一瞬固まった。
そうしてる間に、はシャーリーと2人でどこかへ行ってしまった。

『今の不意打ちは卑怯だ…』

顔を真っ赤にしたスザクを残して…。










そして今に至る……。

「教室で待ってると思ってたんだけど…」

そこにはスザクの姿はなかった。
「うーん」と悩んだ末、クラブハウスへ向かうことにした。

「もしかしたら生徒会で何かあって向かったって可能性はあるしね」





が、そこでもスザクの姿は見当たらなかった。
その代わり、窓際に座って本を読んでいるルルーシュの姿があった。

「ねぇ、ルルー。スザク見なかった??」

か…いや、見てないが?」

「そっかぁ…どこ行っちゃったんだろぅ……待ちくたびれて帰ったなんてスザクに限ってありえないし」

ルルーシュの答えを聞いてのの落ち込みようは見てわかる。
そんなを見てルルーシュはおもしろくないわけで…。
そんなルルーシュの心境がにわかるはずもなく……。

「あぁ、そういえば…」

何かを思い出したかのようにルルーシュが言った。

「勉強がしたいとか言ってたから、図書室とかにいるんじゃないのか?」

「ホントっ!?」

「あっ、あぁ…」

瞳を煌かせてルルーシュに近寄る。
の顔が至近距離にあるせいか、ルルーシュはらしくもなく言葉に詰まった。

「ルル、ありがとう」

至近距離での可愛い笑みを見て、やはりルルーシュは見惚れてしまう。
そうしている間にの姿はなくなっていた。
どこかの幼馴染と同じで顔を真っ赤にし「卑怯だ」と思っていたのは言うまでもなく…。













「スザクいるー??」

図書室に入りきょろきょろと辺りを見回す。
放課後の図書室はシンとしていて、誰もいなかった。

「いないのかなぁ…」

と、図書室の奥の方にきて、日当たりのいい机の上に突っ伏している人を見つけた。
クセのある茶色い髪の毛を見てすぐにスザクとわかった。

「やっと見つけた」

スザクの元へ歩む。
机に突っ伏している彼は案の定、瞼を閉じ、静かな寝息をたてて眠っていたのだ。

「最近忙しかったから…疲れてるんだね」

隣のいすに腰をかけ、スザクの髪を優しく手で梳く。
クセになったのか何度も繰り返す。

「クセっ毛なのにやわらかくて…気持ちいい」


が優しい瞳でスザクを見る。

「いつもいつも無茶ばっかりしているアナタ…


 見ているこっちがすごくはらはらして…


 優しくて…いつも守ってくれて……」


























「大好きだよ…スザク……」


























うっすらと顔を赤くしながら寝ているであろうスザクに向かって言った。
やはり、寝ていても恥ずかしくなったのかスザクの髪から手を放そうとした。

が、その手は何者かに掴まれた。

「えっ!?」

「今言った言葉ホント??」

「っスザク、いつから起きてっ!?」

「質問に質問で返さないで。、今言った言葉はホントなんだね?」

寝てるはずのスザクにいきなり手を掴まれるわ、聞かれてないはずの言葉を聞かれてるわで混乱していた。
そんなを余所にスザクは真っ直ぐと見つめる。


「……スザクのいじわる」


混乱が限界に達したのかじわりと瞳が潤んでいく。
そんなを見てスザクは焦り、掴んでいた手を自分の方へ引き寄せ自分の中に収めた。

「っ!!」

ごめん!泣かせるつもりはなかったんだ…心配だったんだ……
 今さっき言ってくれた言葉が夢なんじゃないかって…好きだから…のことが好きだから心配だったんだ!!」

強く強く、を抱き締めた。



「う…そ……スザクが私を好き……??」



「あぁ、好きだ…愛してる」



「嬉しい……」



嬉しさのあまりとうとう溜めていた涙を流した。
そしてスザクの耳元で小さく、呟いた。





「私も愛しているわ、スザク…」





スザクは体を離し、を見てにっこりと笑った。
それを見ても微笑んだ。











そして、夕日の陽に照らされてできた2人の影が静かに重なった……。






































あとがき

 はい…初の作品、相手はスザクです……。
 エセスザクですみません。
 試作品みたいなものなので糖度も低めです。
 なれてきたらどんどん高くして行きますので、どうぞこんな管理人に付き合ってください。

 一応この夢主は連載ヒロインです。
 ルルにも愛されてるヒロインなので…。
 途中のルルがかわいそう…。
 次はルル相手で書こうかな……。

 スザクもルルも大好きな管理人です!

 回想ででてきたシャーリーの約束事…。
 ズバリ決めてません。(爆
 想像しちゃってください。(笑

 ここまで付き合っていただきありがとうございます。
 下にほんのチョコっとオマケが…。
 読まなくても支障はございませんので。
   -----20070318-----












































―オマケ―

夕日はとっくに沈み、校舎の周りは暗闇に包まれた。
2人は未だに図書室にいた。


「ぁ…」


「どうかした??」


「特派……」


「あ゛……」






「スザクくんとちゃん、遅いですね…何かあったんでしょうか?」

「う〜ん…スザクくんにはお仕置きが必要かな」



2人が仲良く走って遅刻していったのはまた別のお話…






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