マフィアのボス―――…
裏社会に君臨する
闇の支配者
何人もの
信頼できる部下を
片手で動かし
ファミリーのためなら
みずからの命を
はることも
いとわない
彼のまわりには
信望と尊敬の念が
とりまき
スラムの少年は
ヒーローとあがめたてる…
「へぇ、そうなのか」
リボーンが『マフィアのすべて』という本を読んでいるツナに銃を向けながら言った。
「おまえが無理矢理読ませてるんだろ!!」
「毎朝読めよ。おまえはファミリーの10代目ボスになる男なんだからな」
「冗談じゃないっていってるだろ!?マフィアのボスになんて絶対なるもんか!」
「心配いらねーぞ。あとはこっちで勝手にやるから」
そう言ってヂャゴンッといろんな銃の手入れをする。
「めちゃめちゃ心配だよ!!」
心配しないでいられないツナであった。
標的2 死ぬ気弾使用不能
[持田センパイを倒してからオレに対するみんなの態度が変わった]
「沢田だ!」
ササッとツナから遠ざかる。
[不気味がる奴もいるけど]
[ダメツナって誰も言わなくなったし、一目置かれるようになった気がする]
「ツナ、オス!」
1人の男子生徒がツナに挨拶をした。
[照れくさいけどうれしい…!]
「おはよ」
照れくさそうにその男子生徒に言う。
[こんなことなら、ガンガン死ぬ気弾を撃ってもらうのも悪くないかな。なんちゃって]
「ふあぁ〜…」
が口に手をやりながら大きな欠伸をする。
「キャッv見てみて〜くんの欠伸」
「可愛い〜v」
「朝からいいもの見れたよねぇv」
欠伸しただけで女子のこの騒ぎよう。
当の本人は気付いていないのだが…。
『昨日夜更かししたからでしょうか…眠さが半端じゃないです……』
そんな眠そうなの視界にツナが映った。
『ぁ、アレはツナさん…っと、ダレなんでしょう?』
「なぁ、たのむよたのむ!どーしても勝ちたいんだ!」
顔の前で手を合わせて頭を下げる男子生徒。
そして勝ちたいという言葉からは今起きていることが理解できた。
『今日の球技大会のことですね…』
と、今まで困った顔をしていたツナがふと何かを思ったのか、困った顔がなくなり男子生徒に言う。
「じゃ…やってもいいかな…」
そんなツナを見てはため息をついた。
『ツナさん…死ぬ気弾頼ってますね。そんな気持ちじゃ無理ですよ…』
そんなを余所に、ヒーローと言われたツナは舞い上がっていた。
「ツナくん」
[持田センパイを倒した日にもうひとつある出来事があった。そぅ、それは…]
「おはよう」
「あ、おはよ、!」
[彼、が転校してきたことだ]
「今日の球技大会出場するの?」
「あ、聞いてたんだ」
少し照れくさそうにツナは頭を掻く。
[に聞かれてるなんてな。でも、今日の球技大会はいいとこ見せれるぞ!]
「オレ、頑張るからさ。も応援しにきてくれよな!」
の手を両手で握りながらツナは嬉しそうに言った。
一瞬だけの顔が曇ったが、すぐに笑顔になる。
「うん、応援しに行くよ。あまり無理はするなよ…」
「大丈夫だって!」
[一瞬の顔が曇った気がしたけど…気のせいだよな?
それにしても…笑った顔可愛いな……]
[って、男相手にトキメクなよオレ〜]
頭をぶんぶん振るツナと、それを不思議そうに見ている。
2人は一緒に教室へと向かった。
キーンコーンと鐘が鳴り、球技大会が始まる時間となる。
出場する生徒は体操着に着替え、他の生徒は応援だけのため制服のままだ。
も応援する側のため制服のままであった。
「ふぁ……」
今日で何回目だろうか?と思うくらいは欠伸をしていた。
そんなを見て数名の女子生徒が心配そうに近寄ってくる。
「くん、寝不足?大丈夫??」
「きっと疲れが溜まってるんだわ」
「今から保健室休みに行く??」
「うん、そのほうがいいよ!私たちが連れて行ってあげるよ」
などとの周りで騒ぐ。
そんなを傍から見ていた男子は「モテる男は大変だな…」と、ちょっと憐れんだ目で見ていた。
「ううん、皆頑張るのにボクだけ休むのはおかしいでしょ」
「でも!」
「それに、ボクも皆と一緒に応援したいしね。
心配してくれてありがとう。その気持ちだけでも嬉しいよ」
にっこり微笑む。
「ちょっとボク、トイレに寄ってから行くから先に行くね」
そう言って急いで教室から出て行った。
「キャー!!!」
が出て行った後、教室は黄色い声でいっぱいになる。
「キュン可愛いv」
「どうしよう!微笑まれちゃったv」
「ちょっと!くんはアンタじゃなくてアタシに微笑んだのよ!」
「あなたこそ何言ってるのよ!」
ギャーギャーと女子同士のバトルが繰り広げられる。
それを見ていた男子陣は…。
「女ってこえ〜…」
「も大変だなぁ…」
「死ぬ気弾使用不能〜!!?」
ツナの大きな声が聞こえた。
『ぁ、いた…』
ツナに見つからないよう隠れる。
『死ぬ気弾使えないことがわかってツナさんはどうするのでしょう…』
バンッと消火栓が閉まり、ツナはフラフラと廊下を歩き始める。
すると京子が現れ、ツナの腕を引っ張って体育館へと行ってしまった。
そんなツナを見て、リボーンはニッと笑っていた。
「嬉しそうですね」
「まぁな」
「ツナさん、どうするつもりなんでしょうか…」
「アイツ次第だな」
「第1セット終了」
審判の声が体育館に響き、試合の1セット目が終了する。
結果はやはりAクラスがボロボロだった。
『やっぱりこうなりますよね…』
するとヒョコヒョコとツナが体育館から出て行った。
「何だ〜?」
「また早退じゃねーの?」
「やっぱダメだなあいつ」
ザワザワとざわつく。
「ツナ君……」
心配そうに京子がツナの出て行ったあとを見ていた。
「ツナくんが心配?」
そんな彼女にが話かける。
「君…」
「でいいよ」
ニッコリと微笑むと京子の顔が紅くなる。
「ツナくんなら大丈夫だよ」
「え?」
そう言ったあとは何も言わなくなった。
『何故私は彼女に大丈夫だなんて言ったのでしょうか…』
は先ほどの自分の言動に驚いている。
何の根拠もないのにあんなことを言ったのは初めてだった。
『自分でも何故かわからない……』
「あ、ツナ君」
隣にいた京子がそう言った。
ツナが戻ってきたのだ。
戻ってきた彼の顔は出て行く前の顔と違って、何か決心のついた顔だった。
「ふぅ……」
はまだ試合が終わっていないにも関わらず、体育館からでていき校舎裏までと行く。
ツナの両足に死ぬ気弾が撃たれて、ネットをも越すジャンプをするところまでは見ていた。
「私は…どこのファミリーにも入らないわ……」
急に普段の声色に戻して独り言を言い始めた。
木の上に人がいることにも気付かず…。
「その気持ちは昔から変わらないはず…なのに……」
そう言ったあと言葉は途切れ、木にもたれかかるように急に座り込んだ。
「…寝たんだ」
木の上にいた人物は飛び降りてきて、の顔を見てそう言った。
「ん……」
の瞳がゆっくりと開く。
辺りは紅く染まっていた。
「夕日…アレ……私寝てしまったんですね……」
ポーっと夕日を眺めている。
「ねぇ、いつまで僕に寄りかかっているつもり」
と、不意に耳元から声がして、バッとその場から飛び退き構える。
視線の先には先ほどが座っていた隣で、木にもたれかかりながら本を読んでいる人物。
『気配がなかった……』
その人物は読んでいた本をパタンと閉じ、立ち上がった。
よく見ると腕に風紀委員の腕章をつけている。
「ふぅん、僕とやるつもりなんだ」
「ぇ、いや、そんなつもりっ」
キインッと辺りに金属音が響く。
「ワオ、不意打ちだったのにまさか止められるとはね」
トンファーで繰り出してきた攻撃をは扇子で受け止めた。
「不意打ちを受け止めたのは君が初めてだ。女なのにやるね」
その言葉にピクッとが反応する。
「君、なんでそんな格好しているの?」
『っ…普段の声を聞かれているから誤魔化す事ができない』
は珍しく焦る。
そんな彼女を見てクスッと笑った。
「今日はもう遅いから明日必ず応接室にくるように」
辺りはいつの間にか日が落ち暗くなっていた。
「ぇ…」
「来なかったらただじゃ済まさないよ」
そう言ってトンファーをしまい、に背を向け歩き始めた。
と、急に止まりこちらを振り返る。
「僕は雲雀恭弥」
「ぁ、私はです」
もぅ、女とバレているのだから一人称や声を変える必要はないと思って普段通りに喋った。
「ね…」
そう言って、再び歩き始める。
「あの…肩、長い間貸して下さってありがとうございました」
歩いていく雲雀の背に向かってそう言った。
「まさか、こんなに早く女ということをバレるなんて思わなかったですね…。
気配を消すなんて…雲雀さん、何者なんでしょうか?
明日何言われるか怖いですね……」
それが彼、雲雀恭弥との出会いだった……。
あとがき
長々とここまで読んでくださった方々ありがとうございます。
1話より長くなりましたねw
2話目で雲雀さん登場させました♪
管理人が16話目まで待てるはずがありませんw
雲雀さん寄りなのに16話目まで出さないのはありえないでしょうw
まぁ、管理人の趣味なので…。
早速女ということがバレ、どうなることやら…。
3話を楽しみに待っていただけると嬉しいです♪
この雲雀さんと出会う前寝てるじゃないですか…。
カラコンしてるのに長い間寝てて…。
やばいですよね…(;´・ω・`)
と、まぁそこはつっこまないであげてください。爆
ぁ、[]の中はツナのココロの中で思っていることです。
わかって下さっていると思いますが…一応w
このバレーの試合って結局勝ったんでしょうかねぇ…。
本編でもわからないので、あやふやでw
ぁと、京子ちゃんと絡ませてみました。
いろいろとおかしい箇所があるかもですが、見逃してもらえると嬉しいです。
では、3話もどうぞよろしくお願いします♪
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