「ボクに不可能なことはないよ」

そぅ言いながら、雲雀は土足のままの家に入る。

「ぁ、雲雀さん。
 ちゃんと靴脱いで下さい」

「ボクに指図するの?」

「指図もなにも常識じゃないですか。
 脱がないのなら出ていって下さい」

雲雀はむっとする。
いつもの雲雀ならここでくってかかるだろうが、珍しくの言葉を受け入れ、靴を脱いだ。
は雲雀から靴を預かり、玄関へと持っていく。

『不可能はないと言いますが…。
 普通の人なら10階なんてまず無理ですよね……』

そんなことを考えながら靴を置いて雲雀がいるであろう自室へと戻る。








標的3.5 窓からの訪問










「ふーん…ホントに女の子なんだね」

雲雀は戻ってきたの身体をジロジロ見ながら言った。
風呂上りなので、カツラははずしているし、さらしも巻いていない。
そのため、腰まである長い髪も、凹凸はっきりした女性特有の身体つきも見てわかる。

「そんなにジロジロ見ないで下さい」

ジロジロと見られるのは恥ずかしいものがある。





少しの間をおいて、雲雀が口を開いた。

「なんでこなかったの」

やはりというべきか、今日の放課後のことであった。

「すみません…」

「すみませんじゃわからないんだけど」

「…」

「……」

沈黙になる。
これでは埒が明かないと思い、は殴られる覚悟で素直に言うことにした。

「…忘れてました」

「……いい度胸してるね」

雲雀が怒ってるのがわかる。
は自分に非があるため何も言えない。
殴られるかもと思い、目を瞑りながら身構えていた。
自分が悪いのだから受け止めるつもりはないようだ。



しかし、が思っているようなことは起こらなかった。
代わりに自身の唇に柔らかく生温かいものがあたった。
そしてそれはすぐに離れる。

「ぇ??」

は目をパチクリさせ、一体何が起こったのか全くわかっていない様子だ。

「こなかった罰」

雲雀は自分の唇をペロリと舐めた。
その行動を見て、は自分が何をされたのか段々理解し、顔をこれでもかというくらいに真っ赤にさせた。

「その様子からして始めてみたいだね」

雲雀はどこか嬉しそうだった。
はいっぱいいっぱいで話すこともできなさそうだ。



「っ……からかわないで下さい」

ちょっと間をおいてからはそう言った。
顔はやはり心なしか紅い。















「それで、君はなんであんな格好をしているの?」

雲雀は当初の目的を聞いた。
の家にきてから大分経っている…。

「教えません」

は先ほどのことがあってまだむぅっと拗ねている様子だ。

「ふーん…まぁ、どうでもいいけどね」

雲雀の言葉に「ぇ?」となる。

『どうでもいいって…。
 私の家にきた理由って……って、アレ??』

そこではふと疑問に思う。

「なんで私の家を知っているんですか?」

名前以外雲雀に教えたはずがないのに何故と疑問に思ったのだ。

「調べたから」

その答えはあっさりと返される。

『調べたって……』

どうやってとは怖くて聞けなかった……。










「それじゃぁボクは帰るよ」

いきなり雲雀が立ち上がったかと思うとそぅ言った。
そして一言付け足す。

「明日からは応接室でお昼を食べなよ」

「ぇ?」

「強制だよ。
 退学したいなら別にいいけど」

「じゃぁね」と言って雲雀は部屋から去っていく。

「ぁ、待って……」

バタンと玄関のドアの閉まる音が聞こえた。

「行ってしまいました…。
 雲雀さんってやぱり不思議な人ですね……」

そう思わずにはいられないなかった。










は、布団に入りながら今日一日のことを振り返っていた。

『今日はホントイロイロなことがありました…。
 それに……』

の顔が急に紅くなった。
雲雀とキスしたときのことを思い出したのであろう。
布団に顔を埋めた。





「うぅ…眠れない……」

思い出して眠れないであった……。





































あとがき

 オリジナルの3.5話です。

 なんとういうか…。
 文章が纏まってないですね。
 もしかしたら書き直すおそれがあります…。
 書き直すと言っても大幅に変えるわけではありませんがw

 さっそくヒロインちゃんと雲雀さんがキスですw
 当サイトのヒロインは鈍感っ子なので深い意味でとってないでしょう。
 もっと絡ませたいですね。
 絡ませたいのに、雲雀さんとの絡みが難しい…。
 アドバイスくださいww

 リボーンの公式キャラクターブックに載っている時間にずれていますが気にしないでいただけると助かります。
 これから頑張って合わせたいなと…。
 1,2話書いたのがこの本出る前だたのでしょうがないと言えばしょうがないのですが…。

 では、次は4話をよろしくお願いします♪

-----20081029-----





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