『あぁ…まさかこんな早くにバレるなんて……
私もまだまだですね…』
はぁ、とため息をつく。
先日の放課後、雲雀に自分が女であるということがバレたという失態に悔いているのだ。
「?どうしたの、ため息なんてついてさ」
ちょうど教室に入ってきたツナはがため息ついているのを見て気になった。
「ぁ、ツナくんおはよう」
何事もなかったかのようにいつもの笑顔であいさつをする。
その笑顔に照れながらツナはあいさつを返した。
「あ、おはよう……って、そうじゃなくて!
なんか悩み事?オレでよければ相談にのるよ??」
「わざわざ心配してくれてありがとうな。
でも、悩みってほどのものじゃないんだ」
そう笑顔で言うにそれ以上は聞けなくツナは「そっか」と言って追求はしなかった。
『悩みと言えば悩みになりますね……
……なんて説明しましょう…』
キーンコーンと鐘が鳴り、ガラッと教室の戸が開き担任が入ってくる。
その担任の後ろについて1人の男子生徒が入ってきた。
「早く席につけー」
担任がそう言い、立っていた生徒が席につく。
皆、男子生徒が気になっていた。
ある1人を除いて……。
標的3 獄寺隼人
「イタリアに留学していた
転入生の獄寺隼人君だ」
担任が男子生徒、獄寺隼人を紹介する。
「ちょ…かっこよくない〜?」
「帰国子女よ!」
「この時期に珍しいよね」
「ついこの間くんが転入したばかりなのにね」
「くんもいいけど…獄寺くんもなかなかのものね」
などと、女子がコソコソと話していた。
は驚いていた。
『ウソ…なんではーくんがこんなとこに……』
そぅ、と獄寺は知り合いなのだ。
「獄寺君の席はあそこの…獄寺君?」
担任が席を教えているにも関わらず、獄寺はズンズンととある場所へ行く。
と、いきなりガッとツナの席を蹴ったのだ。
「でっ!」
突然のことにツナは焦る。
だが、獄寺はツナに謝らず、くいっと別の方を向く。
「ツナの知り合いか?」
「知らないよ!」
「ありゃ絶対不良だな」
「でもそこがいい……」
「怖いところがシビレるのよね〜」
「くんについてファンクラブ結成決定だわね」
獄寺に男子は怯えているのに、女子はその獄寺の行動にうっとりしていた。
くいっと獄寺が見た方向にはがいた。
もずっと獄寺を見ていたため2人の目は合う。
『やっぱり…気付いてますよね……』
獄寺はの元へ行きたそうだったが、授業が始まるためシブシブ自分の席へとついた。
休み時間となりは中庭へときていた。
「はーくん?いるんですよね??」
そぅ言って後ろを振り向く。
周りに獄寺以外誰もいないと気配でわかるため、口調は普段の喋り方だ。
「久しぶりだな、」
「はい、お久しぶりです。
お元気そうでなによりで」
キレイな笑顔でそう言った。
その笑顔に獄寺は照れ、下に顔を逸らした。
「その格好」
「ん?」
「なんでそんな格好しているんだ?」
獄寺は見たときから疑問に思っていたであろう
のその格好の理由を聞いてきた。
『やっぱり気になりますよね…』
なんて答えようかは考えた。
そしてその考えた結果…。
「趣味……かな?」
「っ!オレは真面目にっ」
「まぁ、趣味はウソですけど…。
はーくんも私のこと知ってるでしょ?」
獄寺の言葉を遮っては言う。
「……アレか」
「そぅ、アレです」
獄寺ははぁっとため息をつきこう言った。
「お前も大変だな…」
「自分でもそう思います」
「まぁ、何かあったらオレに言え。
その…男装してたら大変なこととかイロイロあるだろ?
手助けしてやるからよ」
照れ隠しか頭を掻きながらそぅ言った。
昔と変わらない獄寺の優しさ。
嬉しくなり獄寺の手を両手で掴みながら言う。
「ふふ、ありがとう。
やっぱりはーくんは優しいですね」
獄寺は少し照れくさそうだ。
「それよりいい加減そのはーくんってのはやめねーか」
「はーくんはなんでこの学校にいるんですか?
やっぱり…沢田綱吉さん関係……?」
さっき言われたのにも関わらず、呼び方を変える気はないようだ。
呼び慣れているし、自身この呼び方が気に入っているのであろう。
そんな彼女の性格に慣れているのか、獄寺はもぅ諦め状態だ。
「あぁ、そうだ。
リボーンって人に呼ばれてな」
「やっぱりそうですか」
は薄々気付いているのであろう。
リボーンが獄寺をツナの部下にしようとしていることを。
「ぁっ」
はピクっと何かに気付く。
「ツナくん…沢田綱吉さんがこちらにきますね」
獄寺にわかりやすいように呼び方を訂正する。
獄寺は獄寺で、下の名前で呼んでいることが気になるようだが…。
「そうみてーだな」
獄寺も気付いたようだ
「じゃぁ、私は退散しますね」
「あ?別にいてもいーじゃねーか」
と別れるのが少し淋しいのか獄寺はそう言う。
「いえ、私自身沢田綱吉さんにとってはまだ一般の友達という関係ですから」
「そうか…」
「じゃぁ、頑張れ」
ツナが近づいてくることもあって口調を変える。
そんなに獄寺は驚いた。
それもそのはず、普段は同い年なのにも関わらず敬語で話してくるあのがこんな喋り方をしているからだ。
「ボクが女ということは内緒だからね」
そう言いながらはその場から消える。
そして、すぐにツナが走ってきてその場に現れた。
ツナと獄寺のバトルは終わった。
その一部始終をは授業をサボって屋上から見ていた。
案の定、獄寺はツナの部下となる。
「ふふっ…はーくん嬉しそうだなぁ」
獄寺を見てそうボヤいた。
「はーくんがファミリーに入ったからといって私は入りませんよ……。
…リボーンさん」
中庭から屋上にいるを見ているリボーンに対してそう言った。
そしてその日、獄寺が転入してきたりバトルを見たりで
はすっかり忘れてしまっていたのだ。
雲雀との約束、応接室に行くことを……。
―――その日の夜のこと…。
は帰宅しており、風呂から上がってき、自室で雑誌を読みながらゆっくりしていた。
『今日はイロイロありましたね。
はーくんにも久しぶりに会えましたし……』
久しぶりに幼馴染に会えたことに嬉しそうだった。
『それにしても…。
何か大切なことを忘れているような気が……』
読んでいた雑誌の手を止め、ウーンと唸りながら考える。
そして思い出したのか、ものすごい勢いでその場を立ち上がった。
「ぁっ!?応接室!!」
バッと時計を見る。
針は夜の8時を指していた。
「もぅ学校閉まってますよね…。
と言うか、こんな時間までいるわけないですよね。
どうしましょう…バラされちゃうのでしょうか……」
「ボクはバラすとかそんな生易しいことはしないよ」
「っ!?」
後ろから突然声がした。
は1人暮らしなため、返事など普通は返ってこない。
その声は聞き覚えのあるものだった。
「ウソ…」
後ろを振り返りはビックリする。
「雲雀さん…」
そぅ、振り返った先、窓枠に雲雀が乗っていたのだ。
しかしは1つ疑問に思った。
それは…。
「アレ…ここ…10階ですよ…??」
あとがき
久々の連載更新です。
獄寺隼人登場です。
一応幼馴染です。
愛称はーくんですw
っというかホントに申し訳ないです。
獄寺の喋り方って難しくて…。
あまり似てないかもしれません。
ホントすみません。
男装している理由を少しかじりました。
まだまだわかりませんが…。
うっすらとわかってる人いるかもしれませんねw
あと、雲雀さんを絡ませる予定がこんなことに…。
一応原作と違いこのあとに標的3.5をいれたいと思います。
なので次は原作沿いではなく、オリジナルです。
雲雀さんと絡ませまくる予定なのでよろしくお願いします。
ちなみに10階にどうやって上ったかなんて考えてはいけませんよw
あと、文章下手ですみません。
文才は前より衰えた感じで…。
では、次は3.5話をよろしくお願いします♪
-----20081028-----
訂正
-----20081029-----
-----ブラウザからお戻りください。-----