「恭弥さん」

―凛としたキレイな声が僕の名を呼ぶ。

「恭弥さん、寝てるんですか?」

―彼女、が僕の顔を覗き込むのがわかる。

「こんなところで寝ていたら風邪を引きますよ。
 起きて下さい」

―そんなこと言われても起きる気はないよ。
―だって、僕を起こそうとする一生懸命なキミが可愛いからね。

「…起きてくれなきゃイタズラいちゃいますよ?」

―ワオ、まさかキミの口からそんな言葉が出るとは思わなかった。
―喜んでキミのイタズラを受けるよ。









シアワセの時間










夕日が照らされ紅く染まった応接室。
その応接室の机の上に雲雀はうつ伏せて眠ってい(るフリをしてい)た。
もぅそろそろ来るであろう愛しい人をからかうために…。



ガチャっと、扉の開く音がした。

「恭弥さん」

待ち焦がれていた彼女、がやっと現れた。
は扉を静かに閉め、雲雀の元へゆっくりと歩む。

「恭弥さん、寝てるんですか?」

雲雀の顔を覗き込みながらそう聞くが、返事はなかった。



「こんなところで寝ていたら風邪を引きますよ。
 起きて下さい」

季節は夏の終わり目、秋になりかかろうとしている時期。
昼間はまだ暑さを感じるが、夕方ごろからは少し肌寒くなる。
まだ衣替えをしていないため制服は夏服のまま。
そのため、は雲雀が風邪を引くのではないかと心配し、一生懸命起こそうとしているのだ。
雲雀が狸寝入りをしているとは露知らず…。



「…起きてくれなきゃイタズラしちゃいますよ?」

身体を揺らしても起きてくれない雲雀にはイタズラをすることにした。
スッと雲雀の前髪に手を差し延べる。
サラサラと前髪がの手から流れ落ちた。

「わぁ…サラサラ」

普段こんなことはしないため、新鮮な感じなのかは嬉しそうだ。
前髪に満足したのか、手を前髪から上へと移す。

「フフ、まさか恭弥さんにナデナデできるなんて…」

優しく、愛しそうに雲雀の頭を撫でる。

「ん……」

「!?」

と、いきなり雲雀が動いた。
はびっくりしてピタッと手を止める。

「恭弥さん…?」

起きたのかと思い、頭から手をどけ、おそるおそる雲雀を見る。
しかし、起きる気配はなかった。

「起きて…ない……?」










―ホントやりたい放題だね…後でたっぷりお仕置きをしてあげるよ。
―…また僕の顔を見て……何かしてくれるのかい?

「……まつ毛長い」

―………キミの考えが僕には理解できない。
―顔が近いんだからやることは1つしかないよね…










「!?」

の唇と雲雀のそれが重なった。
いきなりのことではびっくりして逃げようとするが、雲雀がそれを許すはずがない。
最初は優しいものだったが、次第に深いものへと変わっていった。

「ふぅっ…ん……っ…」

足がガクガクし、立っているのが辛くなり、はヘタリと床へ崩れ落ちた。

「恭弥さぁ…」

呼吸が整っていないため肩で息をし、顔は紅く、上目遣いで雲雀を見つめる。
その姿はあまりにも色っぽく艶やかだった。

「ワオ、誘ってるのかい?」

「なっ!?ち、違いますよ!!」

雲雀にそんな風に言われて、は恥ずかしくてそっぽを向いた。















「恭弥さんいきなりひどいです」

アレからほんの少し時間が経っていた。
窓の外はもぅ夕日が落ち、漆黒の闇へと変わっている。
二人は応接室のソファに寄り添いながら座っていた。

「もぅ、いつから起きてたんですか?」

「さぁ…ね」

はぐらかすように雲雀はそう答える。
それで納得がいくわけがなく…。

「ちゃんと教えてください!」

必死に聞いてくるが可愛く、雲雀は嬉しそうだった。















―キミが傍にいてくれるだけで僕はこんなにも嬉しいんだ








―こんなキモチになるのは初めてだ








―ずっとキミを手放すつもりはないから覚悟しておいてね















































あとがき

久々の更新です。
すごく久しぶりでどんな設定にしてたのかちょぃ忘れです(;´・ω・`)

リボーンの短編初夢の雲雀さんです
なんか雲雀さんぽくなかったら申し訳ないです。
一応頑張ってみたものの…。
エセっぽいですネ(;´・ω・`)

雲雀さんに愛されヒロインですw
甘くしてますが…甘くなかったら申し訳ない。

それでも気に入っていただけたら光栄です♪

  -----20081026-----












































―オマケ―

「ぁ、そういえば…」

「なんですか?」

「キミにお仕置きするのを忘れてたね」

「ぇ」

「僕をやりたい放題にしたお礼、たっぷりもらうよ」

「ちょ!?待ってください!!」

「待てないよ」

「やぁ…っ……って、いつから起きてたんですかー!!」





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